八雲琴とは……
八雲琴とは、伊予国宇摩郡天満(現在の愛媛県四国中央市土居町天満)出身の中山琴主(1803年~1880年)が、文政3年(1820年)、出雲大社に参籠した折に御神託を授かり創始したといわれる二弦の琴。
御神意によって宇迦山の大竹を刈ったものを半分に割り、それに天地陰陽を表す二本の弦を張って素盞鳴尊の御歌「八雲立つ出雲八重垣妻込みに八重垣作るその八重垣を」に合わせて演奏したのがその始まりとされている。
後に改良を重ねて桐材を用いるようになり、龍を模した本体の裏板には日月の穴が穿たれ、天地を表す二本の弦を同音に調弦するなど、陰陽和合を体現する形状となった。
曲の多くは琴の演奏に合わせて、万葉集などの和歌を歌唱する。
中山琴主はこの八雲琴を携えて全国を渡って各地の神社に琴を奉納し、また多くの門人を得て、八雲琴の普及に努めた。
江戸後期から明治にかけて全国に広まり、後にこの八雲琴とタイプライターの仕組みを組み合わせて考案された楽器が大正琴となる。
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